嫉妬と煽情と初めての夜#1

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「あいつの腹いせか。…ごめん」 「…戸川君が悪いんじゃないよ」 でも、自分がそんな女に見られていたと思うと意気消沈した。 これではとても告白なんてできない。 気まずい沈黙が広がった。 「…今日は帰るね」 「待てよ。…悪かった」 また玄関へ向きを変えた私の腕を再び戸川君が掴んで止めた。 「…悪かった。帰るなよ」 もう一度繰り返した戸川君の声が少し擦れた。 その声に胸がぎゅっと痛くなる。 「私も、ごめん…」 「何がだよ」 「…嫌な思いさせて」 互いに謝ると何だかくすぐったくなって、その場の空気が和らいだ。 少し俯き加減に振り向くと、戸川君はそのまま私の腕を引いてリビングのソファーに座らせた。
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