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「ごめんな。……情けない」
ドサッと横に座った戸川君が大きくため息をついた。
「あんな嘘にコロッと騙されて」
「崎田さんも魔が差したのかな。
出くわすタイミング悪すぎて」
「最初の電話でお前の様子が変だった気がしたけど、あの時もうあいつ居たのか?」
「ううん。あの後に来たの。
戸川君と間違えてドア開けちゃって」
悪趣味すぎる、とまだ怒ってる戸川君は子供みたいで、私の顔も弛んだ。
「崎田さんとはちゃんと話して、
最後はきちんとした別れになったと思ったのに残念……あいたっ」
いきなりデコピンされて、手を当てる。
「あいつの話を笑顔でするな」
唸るように言って戸川君が立ち上がった。
「…泣いても怒るくせに」
「……」
戸川君は冷蔵庫からビールと私のチューハイを取ってくると、テーブルに置いてくれた。
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