嫉妬と煽情と初めての夜#1

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数日後。 私は三浦君と社食に来ていた。 まだ時間が早いので比較的空いていて、ちらほらと空席も見える。 「いただきます! 久々に並ばずに食べられますね」 窓際の四人掛けテーブルを確保して、三浦君は満足気に手を合わせた。 「うん。今日は余裕だね」 「でも、もうちょっとしたら忙しくなるんですよね?」 「年末は倒れたくなるよ。 なかなか倒れてくれない自分の健康体が恨めしくなるぐらい」 秋から年末は企画会議も多いし、 怒濤の勢いで仕事が降ってくる。 新年に社長が全社に通達する基本方針書の策定を担う経企室は、週末返上でホテル泊まり込みの徹夜ミーティングを繰り返す。 「僕、一昨年は異動してきたばかりで不参加だったし、去年は長期出張で居なかったから、今年が初めてなんですよ」 「そうだっけ?」 「あー、ひどいや先輩。 僕、そんなに存在感ないんだ」 三浦君がいつもの調子でぼやいてると、ふと横に人影が立った。 「ここ、いいですか?」 顔を上げると、若い女の子の二人組だった。 他にも空席はあるのにと不思議に思いながらも、どうぞと手前に立つ彼女に笑顔を返した。 ふと彼女の顔を見た時、 嫌な感覚が蘇った。 瞬間、首から下げたIDカードに目をやる。 “小野寺 唯” 思わず彼女の顔を二度見した私に 彼女はにっこりと微笑んだ。
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