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翌週は麻紀の結婚式に出席した。
真っ白なドレス姿の麻紀は
本当に綺麗で幸せそうだった。
教会の出口でなぜか麻紀はブーケトスをせず、女子からは不満の声もあがったけれど、郊外のレストランでの披露宴は大いに盛り上がった。
同じ職場のカップルだから、出席者は国内営業の面々ばかりで少し心細かったけれど。
谷本君はラグビーをやっていたという経歴通りの立派な体格で、痩せ型好きな麻紀の好みとは確かに違うので内心可笑しかった。
でも彼が麻紀に向ける視線は本当に優しくて、見ていると胸が熱くなった。
出席者を見渡しながらふと思う。
谷本君と同期の戸川君も、日本にいたら出席するはずだった。
彼が発ってもうすぐ4ヶ月。
私は何を、いつまで待ってるんだろう?
いつか帰ってくると信じて待つと決めた彼には、今は他の人がいると知ってしまった。
現実から何度も目を逸らし、
心を奮い立たせても、
思い知るのは独りぼっちの自分。
幸せそうな麻紀の眩しい姿が遠く感じられて、どんどん孤独になっていく自分の未来を思わずにいられなかった。
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