【番外編(2)】もうひとつの社内恋愛

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  「あんまり、いじめないでくださいよ。一応まだ、付き合いたてなんで」 困ったな、とでも言うかのような表情を浮かべる長瀬だ。 相変わらず、完璧な“外面”の仮面をかぶったままで、私の手をそっと引く。 「ちょっと、借りていきますね。そろそろ昼ですし」 長瀬の登場で、少しだけ冷静になったらしい。 掴み掛かるんじゃないかってくらいに興奮していた二人が、穏やかになった。 「あら、本当ね。ごめんね羽村さん、引き止めて」 「い、いいえ。大丈夫です」 頭を振った私は、資料を手に、長瀬に促されるままその場を離れた。 後ろで、落ち着きを取り戻した二人が会話を続けている。 .
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