【番外編(2)】もうひとつの社内恋愛

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  「あー喉乾いた。ちょっと嶋田、お昼おごりなさいよ」 「はあ? なんで俺が?」 「いっつも一人で寂しげに食ってんでしょ? 一緒に行ってあげるっつってんだから、感謝の気持ちでおごるのは当然じゃない」 「……お前、その理屈おかしすぎるぞ。それに俺は寂しげになんて食ってない。じっくり味わってんだ、ちゃんと」 「屁理屈はいいから、ほら、行くわよ。パラディーゾのランチコースなんていいわよねー」 「お前っ! いくらすると思ってんだバカ!」 パラディーゾのランチコースは、3,500円。 私の頭の中で、平日のランチにしては随分リッチなコースを上質な空間で味わう二人の姿が想像される。 ……素直に、なればいいのに。二人とも。 .
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