君が笑う世界

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――全ての物語が開幕される前に。 少々、時間がさかのぼる。 件のリムジンの会話より――数週間前の話である。 ―――――― 「はぁ……。大きなお屋敷っていうか……何? このどこかのテーマパークみたいなお城って感じなんだけど?」 「まぁ……ノートリックス筆頭株主の家だからねぇ……」 白亜の館を見ながらため息を吐く私に、光姫が苦笑まじりにそう答えた。 「筆頭株主ねぇ……」 「マッチー、頼むから……TPO、ね」 「わかってるって、あんたもいちいちくどい!!」 「くどいぐらい言わないとわからないのはマッチーでしょ!!」 光姫がキッと私を睨む。 「良い? くれぐれも……くれぐれも!! 大将の時みたいなのはやめてよ!!」 「だからわかってるっての!!」 まぁ……と続ける。 「カンパールみたいなのが横に居たらわかんないけど」 「全然わかってないジャマイカ!!」 容赦なく突っ込む光姫にあー、ハイハイと適当に受け流す。
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