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魂の底からの叫びをオニクに突き付ける。
「あー……もう、うるせえな、お前ら……」
心底、めんどくさそうな呟きが聞こえ、キッとそちらを睨む。
「ガキじゃねぇんだから、ピーピーギャーギャー騒ぐな」
「騒ぎたくもなる!! パートナーが白の全身タイツでパーティーに参上したら……騒ぎたくもなるのはわかるだろう!! 佐多亨!!」
白の全身タイツでふんぞり返っているオニクの横に居る男――七代目佐多亨に向かって、半ば八つ当たり気味にそう叫ぶ。
「いいじゃねぇか、お似合いだぞ? お前ら」
面白そうにそう言いながら、佐多が煙草を取り出す。
軽く着崩れさせたアルマーニのスーツ。レイバンの眼鏡。それに見合う、優雅な……けれど、どこか野生を感じさせる仕草。
相変わらず……腹が立つ程にスカした男だ。
「あ、おっさん、俺にもチョーダイ」
「ああ、ほい」
私を無視して、煙草のやり取りをする佐多とオニクにこめかみの筋がぶちっとなる。
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