【番外編（3）】a solar eclipse

「あ、すごい！」
「ん？」
「ほら長瀬、始まったよ日食！」

珍しくテンションの高い羽村が窓際で手招きする。

……ここは、羽村の部屋。

付き合うようになって、数ヶ月が過ぎた朝。
週末はどちらかの部屋で過ごすのがお決まりのパターンになっていたが、今日は羽村が自分の家がいいと言い張った。

その理由が、金環日食だ。
東向きの部屋だから、というのが彼女の弁だった。

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