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「何で俺がしなくちゃいけないんだよ」
五月八日の放課後、ぶつぶつ文句を言いながら文化祭の出し物を考えていた
お化け屋敷、喫茶店…定番すぎるな…平凡といっていいか
「あなたがバカだからじゃないの」
と声をかけられた
振り向く
そこには彼女―時崎アイは立っていた
後ろの扉に寄りかかって尊大にしていた
「別に理解しなくていいの。すごく迷惑だから。篠原くん。篠原遼くん」
時崎アイは繰り返し俺の名前を言った
「私はただ忘れ物を取りに来ただけよ。ただそれだけ。そしたら篠原くんがグチグチ言ってるのを聞いただけ」
「……」
俺は時崎アイが苦手だった
正確にいうと雰囲気というかオーラというか大人びた感じが苦手だった
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