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「参加者は以上で?」
黒服の男は報告書を提出し、問いた。
「あぁ、楽しいゲームにしよう。」
口元を吊り上げる不気味な笑みを見せる。黒服の男から見ても不気味で、それを表情に出さないよう必死だった。
「…楽しみだよ、いや、楽しませてくれよ?」
ー2014年8月
「あっづい。」
8月だから当たり前と言えば当たり前だが、受け入れられるものでもない。
さらに部屋が狭くベッドと机で埋め尽くされ、この中で心頭滅却なんぞ出来るはずもない。
趣味の読書もセミの鳴き声、風鈴の音に集中力を掻き乱され中断せざるを得ない。
プルルプルル
スマホが独りでに振動している。面倒なので放置することにした。
「なんか…なんもすることないな。」
そんなことを考え、意識が遠のいた。
目が覚めると、日が沈みかけていた。
部屋から見る夕日は真っ赤でドロドロしていて気味が悪く、逃げるようにスマホの画面を見つめた。
着信履歴が溜まっていた。
友人からだ。
することもないので電話をかけることにした。
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