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直人くんと別れてから
直人くんのことしか考えていなかった。
それしか…
…考えられなかった。
あの時、
直人くんがどんなことを言ったのか
どんな表情だったのか
どんな風に笑ったのか
どんな風に抱き締めてくれたのか
どんな風に愛してくれたのか
それだけを考えていた。
東京から長野までは
あっという間だった。
あの夜、夜行バスに揺られていた時はあんなにも遠くに感じた距離が一瞬にして縮まった気がした。
「…案外…近いじゃないの」
私は独り言を呟いて笑った。
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