第6話【真実】

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支度が終わると果歩とマンションを出た。 売れっ子デザイナーは結構忙しそうだ。隅に置かれた果歩のMacには電源が入り、周りには資料が散らばっていた。 私たちは朝食を兼ねた遅いランチに出て、そのまま駅に向かった。 駅の構内で、改札口まで果歩が送ってくれて、私は手を振りながらエスカレーターを降りた。 ホームで新幹線が来るのを待って、風のように滑り込むそれに乗り込む。 運よく2列のシートの窓際に座ることができ、新幹線は静かな音とともに出発した。 私は携帯を取り出した。 『無事に乗れた。いろいろありがと。仕事、頑張って』 先に果歩にメールを送った。 その後、直人くんにも送ろうと思っていると、そのタイミングで携帯が震える。 果歩からの返信かと思ったけれど、 メールの送り主は直人くんだった。 『新幹線、止まんねえ?』 『止まってないよ(笑)』 私は笑った。 笑ったのに次の瞬間には幾重も涙を流したので、 隣のサラリーマンが困っていた。
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