誰?あれ。

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ここは南の島 外の気温とはずいぶんと違う部屋の中。 さっきまでの妖艶な姿とは違い、 少女のように穏やかな顔で眠る彼女をジッと見る。 とても年齢には見えない童顔。 なのに、成熟したこの体は熟れきっていて、 一度触れたらもう… そっと指で確認する。 彼女の女を。 ん… と、 顔を歪ませるが、起きる様子はない。 かわいくて、 そっと… 唇を寄せた。 俺は確かに彼女が好きだ。 この気持ちに気付くまで、 この気持ちと向き合えるまで、 ずいぶんと時間がかかった。 多分、 何度も否定をしてたんだ。 歳が違いすぎる。 彼女はバツイチだ。 子供だっている。 そんな理由で… それが何? だから、 嫌いなのか…? 何度も何度もそんなふうに行ったり来たりしてたんだ。 だけど… 彼女と心を通じさせた事で、 これから待ついろんな事。 幸せでうきうきしてる自分から、 奈落の底に叩きつけられるほどの衝撃まで。 いろんな体験をすること。 そもそも、 彼女と心が通じていたのかすら、 自信を無くすほどの。 このときには、 そんなこと、想いもしなかったのだけど…
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