14人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
私は何も言わずに頷くと、名刺を受け取った。
『名前聞いていい? 俺は三浦 光輝。 因みに光は源氏名ね。』
彼は名刺の名前の部分を指差して言った。
助けてもらったしなぁ…やっぱお礼はしといた方がいいのかなぁ。
『橘 香澄です。 .....では、今度お礼にお店に行かせてもらいますね。』
すると、直ぐに彼の表情がくしゃくしゃの笑顔に変わった。それは、欲しかったオモチャを買って貰った時の子供のような笑顔だった。
『マジで?!ヤッタ!!連絡くれたらここまで迎えにくるから。よろしくね、香澄さん』
そんなに喜んで貰えるなんて....思わずつられて笑ってしまった。
って、何うっかり笑ってるんだろう。これもただのホストの営業なのに。
そう思い、直ぐに笑顔を消した。
最初のコメントを投稿しよう!