第1話

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私は何も言わずに頷くと、名刺を受け取った。 『名前聞いていい? 俺は三浦 光輝。 因みに光は源氏名ね。』 彼は名刺の名前の部分を指差して言った。 助けてもらったしなぁ…やっぱお礼はしといた方がいいのかなぁ。 『橘 香澄です。 .....では、今度お礼にお店に行かせてもらいますね。』 すると、直ぐに彼の表情がくしゃくしゃの笑顔に変わった。それは、欲しかったオモチャを買って貰った時の子供のような笑顔だった。 『マジで?!ヤッタ!!連絡くれたらここまで迎えにくるから。よろしくね、香澄さん』 そんなに喜んで貰えるなんて....思わずつられて笑ってしまった。 って、何うっかり笑ってるんだろう。これもただのホストの営業なのに。 そう思い、直ぐに笑顔を消した。
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