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――月曜日。
出社しながらにやけるのが止まらない。
嬉しくて恥ずかしくて、でもやっぱり逢いたくて。
なんかいつもよりも気合を入れてメークをする自分に、笑いが零れた。
先週までの自分を想うと、その違いが余計にくすぐったく感じる。
刻也さんとのことを真子にも連絡したら「来週行くから大丈夫!」なんて返事が返ってきてしまった。
どうやら長井さんから海人さん、そして真子へのパスはすでにされていたらしく、本人そっちのけで『お祝いの会』の話は盛り上がっているらしい。
けど……そうやって集まって、祝ってくれようとするみんなの気持ちが嬉しくて、ついつい笑顔になってしまった。
にやけないように必死で顔を引き締めながら「おはようございます」と来た面々に挨拶をする。
総務では1番に出勤するから、私はみんなが来るのを待ち構えている感じだ。
掃除を終えて、今日の会議資料の確認などをしていたら、待ちに待った人が来た。
足音だけで分かる自分がどうかと思うけれど、分かっちゃうんだから仕方ない。
ドキドキしながら、部屋に入ってくるのを待ち構えていると
「おはよう」
いつもと同じ声で、だけどいつもより少し優しさを含んだ『おはよう』が耳に届いてきゅんとした。
「お、はよう、ございますっ」
照れながらそう言うと、ポンと私の肩を軽く叩いて、彼――補佐は自席に向かった。
――ひゃああっ。も、超恥ずかしいっっ。
両手で頬を覆って、もやもやのピンクな思考を振り払う。
仕事がまともに出来ない、と思いながらにやにやしながらパソコン画面を見つめた。
週明けで何かと忙しい月曜日は、仕事できないかもなんて心配を余所に、気が付けば昼が来ていた。
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