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できすぎ君、と形容したのは、瀬戸が羨む気も起きないくらいできすぎているからだった。
成績は入学後ずっと学年三位以内から落ちたことがないし、部活には入っていないけれど大抵のスポーツは人並み以上にこなす。
加えて眉目秀麗と来れば。
そういうひともいるんやな、というふうにしか思えなかった。
「姫」
「なん?」
「テスト勉強、してる?」
「しとるよ」
この手の質問に正直に答えるのはどうかと思うけど、相手が相澤なので、僕は気を回すのをやめた。
「何で?」
「何で、ってもう一週間前やし」
「あー、姫何気に勉強できるもんな。数学以外」
確かにそうだけれど。
「相澤には、言われたない」
君は数学以外もアウトやん。
「てか、範囲広過ぎ……」
「じゃあ、勉強しろよ」と瀬戸。
「……やだ」
やれやれ、と僕と瀬戸は顔を見合わせた。向上心って、大事だな。
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