第1話

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「白雪、数学大丈夫そう? 困ってるとこあれば教えるけど」 瀬戸は割と、クラスメイトに勉強を教えていることが多い。 訊かれたら答える、というのが基本のようだけど、僕については今みたいに瀬戸から話を振ってくれたりもする。 友人として放置できないレベル、と認識されているのかもしれない。 「やりたないけど。やらなあかんもんな……。今日、空いとる?」 「空いてる。じゃあ、どっか寄ってくか」 「よろしくお願いいたします」 僕はパートタイムの先生に向かって、深々と頭を下げた。
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