プロローグ

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   幼い頃から夫婦喧嘩を夜な夜な見て聞いては泣きたくなる思いを抱えて、物が壊れる音と罵声を聞いて怯えながら布団の中で眠れない夜を重ねてゆくことを幾年過ぎたのかな…  どんなに月日を重ねても慣れることはなく状況は悪化してゆくばかりで良くなることは、ほとんどなく幸せとは程遠く偽りの仮面夫婦を演じる両親の元に生まれたことを何度嘆いたんだろう…  …静かになって玄関の閉まる音がした時、この後に起きることに恐怖するのは、いつからだろう? 「何呑気に寝てんだよ!!あんた何かいなきゃ…とっくに別れてるのに…」  この後に続くことに怯える身体は震えて枕を抱えて身を小さくして母親から遠ざかるようにベッドの端へと後ずさってゆくも直ぐ背中に壁が当たって逃げ場なんてなくなって ッドス!!  重い音と共に月夜に照らされる光、ベッドに突き刺さる包丁だった 「これで死んでくれないかい?そしたら私は自由になれるのに…」  死んだら…お母さんは楽になるの?
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