失ったもの

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 真っ暗な世界  どんなに瞳を見開いても、私には色彩は見ることは叶わないこと  それが極度の栄養失調と高熱の結果  懐かしい太陽の明るさや、夜空に輝く星を見ることは夢の中だけ  一人で生きてゆくには辛い重荷として私は視力を失った代わりに実の両親から解放された 「千夏ちゃん?喉渇かない?ここにオレンジジュース置いとくからね」  私の手を取って、導いてくれる大きな暖かな手はペットボトルへと触れさせてくれて場所を教えてくれる 「ありがと。将紀叔父さん…」 「ううん良いんだ。千夏ちゃん家族なんだから遠慮しないで我儘言って良いんだよ」  優しくしてくれる将紀叔父さん、愛人と失踪したお父さんの弟で歳は離れてて叔父さんより、お兄ちゃんって感じがあるけど私の数少ない真っ暗な世界での光  あの日、お母さんの対応に不審に思って制止を振り切り私を助けてくれた人…命の恩人  でも、私の身体はボロボロで長期の入院生活を余儀なくされ、視力を失ったことや身体の成長も栄養失調で悪く、リハビリと訓練を開始するに時間がかかって気付けば中学を1度も行かず卒業する歳になって、将紀叔父さんのいる家に厄介になってて、申し訳ない気持ちで胸が痛いです
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