91人が本棚に入れています
本棚に追加
「……ふぅん。それ、やってみないの?」
「花屋は嫌いです」
「好きから嫌いになるより、嫌いから好きになる方が楽よ?」
「そ、んなもんですかね」
愛着も無いのなにあんなに完成させれるなんて大した才能だわ。
「1年勉強して、何か1つでも賞が取れたら、父に頼んでお店作ってあげるわよ」
「え」
「今日、激しくした御詫びに、ね」
ふふふ、と笑うと、聖は天井を見上げて腕組しながら唸った。
悩めばいいわ。悩めば。
その間に、貴方の回りを全て私が固めてあげる。
飽きたって、若い女に走ったって、
逃げ場がないぐらい私でいっぱいにしてあげる。
「結婚式、父の立場があるから形だけしたいんだけど」
この年でドレス着たくないから和装だけでも。
「はい。お任せします」
「じゃあ、この家、乗っ取っちゃいますか」
「え!?」
「私と聖で住むから、老害は出ていってもらいましょう」
そう言うと私は、父に電話をかけた。
最初のコメントを投稿しよう!