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聖を父のVIP用のホテルの従業員にした。
ラブホの従業員からは凄く出世したと思う。
そっちのホテルの方が、有給などの設備は整っていたし手当てもしっかりしている。
フラワーアレンジメントの勉強をしながら働くには快適な環境だった。
VIP用のホテルは、海外からのお客や、芸能人のお忍びや業界の人が多かったが、聖は動じずに働けていた。
結婚式の打ち合わせや、デートをすっぽかす事が多かったが、忙しいからだとあまり気にしなかった。
なのに。
そのホテルから、男を拾ってきたんだから開いた口が塞がらない。
「香織さん、あの子、家に置いてあげても良いですか?」
シャワーを貸した少年にタオルを用意しながら私に聞いた。
甲斐甲斐しく私にタオルなんて用意したことないくせに。
「未成年じゃないでしょうね。家出とか迷惑よ?」
金髪の、モデルのように格好いい男の子だった。
身長は聖よりあるし顔は小さい上に腰の位置も一般人より高すぎる。
私みたいな地味な人間には相手にして貰えないような人種だった。
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