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アイプチをしても、小さな目は誤魔化せないし、
眉毛自体がつり上がっているから睨んでいるように見えてしまう。
つけまもアイプチもしない。
だから眼鏡をして隠した。
地味で可愛くもないこの顔が私には何よりもコンプレックスだった。
親は私を可愛がるが、こんな顔じゃ化粧は映えないし、GUCCIやPRADA、CHANELなんざ似合わない。
どんどん思考は繰り返し卑屈になっていく。
性格も顔も悪い私は、恋愛も面倒だった。
「お前のホテルでヤってみようか」
家がラブホだからって私を軽い女だと思うな。
恋愛らしい恋愛もした事がない。
面倒だから楽な、体だけ満たされればもう良いかもしれない。
親は、私に色々尽くしてくれた。
ラブホの仕事なんて私にはして欲しくないと、色々手を施してくれながら。
それが吉と出るか凶と出るか。
私は聖に出会ってしまった。
「香織さん、おはようございます」
にっこりと笑う天使のような悪魔に。
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