91人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
その効果で、包容力がある私に聖はよくなついた。
もちろん私が仕事で忙しい時はそのホテルに女を連れ込むけれど。
それと同時に聖は可哀想で寂しい人なんだな、と強く感じた。
何かしてくれたら愛情を感じるけれど、
どこまで赦してくれるのか此方を疑ってばかり。
無意識に愛情をねだる。
あちらこちらに。
でもお互い本気じゃないのは楽だった。
裏切られる心配がないから、信用しなくて良いから。
なのに聖は愛情をねだる。
愛情は要らないのに、餌をあげてなついた子猫に情が移るのもまた事実だった。
10歳も下の男に翻弄されて、
夢中になって、独占したくて。
気づけば何でもしてあげていた。
朝、寒くて起きれない聖を体で温めながら起こしたりもした。
生理の日でも、口や手で満足させた。
笑顔が見たくて、この笑顔を守りたくて。
相変わらず他の女の影は消えないのに、
私は聖に溺れていった。![image=479043698.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/479043698.jpg?width=800&format=jpg)
![image=479043698.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/479043698.jpg?width=800&format=jpg)
最初のコメントを投稿しよう!