番外編 『あの日』

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「おら、帰るぞ。――響(きょう)」 迎えに来た狼(ろう)は、いつもと変わらない表情で俺を見た。 動揺したり焦ったり、心配したりすれば少しは可愛げがあるのにさ。 「――響」 「俺、まだ怒ってるんだけど?」 「明日は、打ち合わせだろ」 「――知らない」 俺と狼のやり取りをハラハラと見ているそらと聖さん。 狼は、俺を見てやれやれと馬鹿にするように笑った。 「じゃあ、誘拐する」 そう言って簡単に俺を抱き上げて肩に担いだ。 『あの日』image=479691190.jpg
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