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それからは意外と苦戦した。
響の事務所の社長は、『恩人の息子』である響を守る姿勢を崩さなかったし。
響を連れ去ったホテルマンも、ホテル側が口を割らなかったから。
調べて分かった、響を連れ去った男は、
あの界隈では有名なラブホの経営者の一人娘の婚約者。
あっちが手を回したのか情報を何も出さねえ。
俺も響が駄目になったから、イメージモデルを決め直したり、海外に売り出すプロジェクトも始まり、そう時間を取れなくなった。
だから響が動くのをずっと待ってたんだよ。
響が事務所の社長に電話したのを張り込ませていた奴等から知り、すぐに現状を把握した。
夜逃げするように引っ越しがしたいと社長に相談していたので、荷物を回収してやったんだ。
ずっと隠れていた響が動いたのが、4年というのには驚かされたな。
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