第7話

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「大した奴らだよなぁ…全く」 「そうね。なんだか、かおるさんが羨ましい気がするわ」 「良い女だったんだろうな。会ってみたかったなぁ…」 「呆れた感想よね…冬馬にすれば良かった」 「俺はもうバツを増やす気はないぞ。お前ぐらい制作意欲を掻き立てる女は居ないからな」 「仲が良いんですねぇ。お似合いですよ」 「だってさ。さて、俺達は先に帰るわ。涼に言っといてくれ」 監督とエリナさんはそう告げて帰っていった。 腕を絡めるエリナさんに邪魔臭そうにしながらも、最後は仲良さそうに歩いてゆく。 「あー帰っちゃったか。お礼も言って無いのにさ」 いつもの様子で佐久間が私に声をかけた。ジュンさんは照れ臭そうにしている。 「お疲れさまでした」 二人にそう告げて頭を下げた。そうしたい気持ちだった。 「色々と悪かったね。加奈ちゃん」 「すっかり、男言葉ですねぇ」
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