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「笑いごとじゃないわよね。何するかと思ったら、冬馬に電話するんだもの」
「あーそれで、ああなったんだ」
「そうよ、この際ぶちまけるから否定するなよってね…」
テレビでは今でも話題の中心だった。エリナさんを取り合った二人が、監督と役者として共演する。
しかも監督とエリナさんは、ついでに結婚迄報告したのだ。
映画が話題にならない筈は無かった。クランクインで火がついた〈カオル〉の小説は、もう一度増版を重ねる事になった。
「冬馬さんも格好良かったですよね」
「それはそうよ。私が好きになったオトコだもの」
『取り返すつもりだったんですけどね。負けちゃいましたよ』
サバサバとした笑顔で、エリナさんとの事も否定しなかった。
「一皮剥けたって評判良いですよ。うちの読者にも大人気ですから」
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