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【アランSide】
――トントン…
書斎のドアをノックすると、静かにドアが開いた。
「君か…まだいたのか」
「お父さん、もう一度話を聞いて下さい」
お父さんは呆れたように、大きく溜め息を吐く。
「君もしつこいな。仕方ない、中に入りたまえ」
「はい」
俺は書斎に入る。壁一面には本棚、ビッチリと並ぶ沢山の専門書やファイル。デスクの上にはパソコンと積み重なった書類。
会社社長でありながら、CMプランナーでもあるお父さんの仕事振りが一目瞭然。
「座りなさい」
さっきとまでとは異なる静かな口調で、お父さんは俺にソファーに座るように促した。
「お仕事中、申し訳ありません」
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