★薄桃☆

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躊躇している私の手を、友子が勢いよく掴んだ。 「友子…」 「ほら、滝沢先生を見送るよ。光田先生いいでしょう?滝沢先生を校庭で見送っても」 「そうだな。HRは、滝沢先生のお見送りにしよう」 「みんな、行こう」 友子の掛け声で、クラスの生徒がアランを追い掛けて校庭に飛び出した。 校庭の隅に停まっていたタクシー。タクシーの後部座席のドアが開く。 「美希、滝沢先生に片想いしていたんでしょう?親友だからわかるんだ。ちゃんと先生を見送ってあげなさい」 「友子…」 私の気持ちに気付いてたんだ。 でも…本当は… 片想いじゃないんだよ。 みんなの後ろに隠れていた私は、友子にポンと背中を押され前列に飛び出した。
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