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「みんな、ありがとう。光田先生すみません。貴重なHRの時間を俺のために…」
「いえ、滝沢先生のように、私も生徒達から慕われる教師になれるよう頑張ります。滝沢先生、どうかお元気で…」
「はい」
「滝沢先生…」
「…葉月」
アランは離任式で貰った花束を私に渡した。
「花束持って飛行機に乗れないから、葉月にやるよ。葉月やみんなのことが、俺は大好きだ。みんな、ありがとう。元気でな」
「滝沢先生…北海道は寒いから…体に気をつけてね」
「おぅ、体だけは鍛えてあるから。大丈夫だよ」
アランが大きな手で、私の頭をガシガシと撫でた。周囲にいた生徒達の頭をガシガシと撫で回す。
アランに縋りついたい衝動を、グッと抑え込む。
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