★薄桃☆

24/26
197人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
「みんな、ありがとう。光田先生すみません。貴重なHRの時間を俺のために…」 「いえ、滝沢先生のように、私も生徒達から慕われる教師になれるよう頑張ります。滝沢先生、どうかお元気で…」 「はい」 「滝沢先生…」 「…葉月」 アランは離任式で貰った花束を私に渡した。 「花束持って飛行機に乗れないから、葉月にやるよ。葉月やみんなのことが、俺は大好きだ。みんな、ありがとう。元気でな」 「滝沢先生…北海道は寒いから…体に気をつけてね」 「おぅ、体だけは鍛えてあるから。大丈夫だよ」 アランが大きな手で、私の頭をガシガシと撫でた。周囲にいた生徒達の頭をガシガシと撫で回す。 アランに縋りついたい衝動を、グッと抑え込む。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!