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泣かない…
泣かない……
そう思っているのに、涙は勝手に溢れる。
周りにいた生徒も、みんな涙ぐんでいた。
アランがタクシーに乗り込むと、ドアが静かに閉まった。
アランはみんなに会釈すると、私に視線を移した。ほんの一瞬、交わる視線…。
タクシーはそのまま発進する。
小さくなるタクシー。
「滝沢先生ー…!!」
思わず走り出した私。周囲にいた生徒も走り出し転びそうになる。ぐらついた体を友子が支えた。
「滝沢先生行っちゃったね。美希、滝沢先生に花束貰えて良かったね」
私はアランに貰った花束に、顔を埋めて泣いた。
アラン…
一緒に…行きたいよ…。
アラン…
私も一緒に連れて行って…。
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