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「東京を離れる前に、ご両親にお許しが頂きたくて参りました。美希さんと結婚を前提にお付き合いさせて下さい。勿論、すぐではありません。美希さんが高校を卒業したら、結婚したいと思っています」
パパは鳩が豆鉄砲を喰らったみたいに、キョトンとしている。
良さんの時みたいに、速攻声を荒げるわけでもなく、海ちゃんの時みたいに殴るわけでもなく、唖然としたまま固まっている。
「パパ……聞いてる？」
パパの長ーい沈黙に、ママがパパに声を掛けた。
「はっ？意味がわからない。先生、何かの冗談ですか？美希はあなたの生徒ですよ。まだ高校生です。教師と生徒が？悪い冗談はやめて下さい。テレビや映画じゃあるまいし、ハレンチにも程がある」
パパは眉をしかめたまま、口元をヒクヒクとひきつらせている。
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