エピローグ

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短大と実家のちょうど真ん中あたりの静かな町に、オオカミはマンションを用意してくれていた。 「バイトも学校も卒業までちゃんとやり遂げろよ?家事は俺でもできるんだし」 冬休みの間に実家から新居に引っ越したのは もう5年も前の話。 「陽菜、走るなって言っただろ!」 「このくらい大丈夫やって・・・司狼くん私に過保護すぎるわぁ。ねぇミミちゃん」 いつもの朝。 仕事に行くオオカミを見送るのにちょっと廊下を走っただけなのに怒るんだもん。 「パパはママ大好きやもん、仕方ないよね、パパ」 私の横で小さなツインテールの女の子がオオカミの足にしがみついて「抱っこしてぇ」ってせがんでる。 「ミミ、ママが走ったらパパの代わりに怒っていいぞ?わかったか?」 「はいっ!りょーかい!」 父娘で頬を寄せ合って毎朝恒例の【いってらっしゃい】のチュー。
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