1

4/7
2201人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
そんな悟志を横目で見ながらタバコをふかした。  もう終わりだなぁ……。  潤いをもたらしてくれない男に用はない。 バックに手を伸ばし、立ち上がった。  「じゃ、帰るから」 私は悟志を気にもせず、ドアに手をかけた。  「え?………何?帰んの。」 テレビを見続けたまま、声だけを私にむける。  「うん。バイバイ」  私は部屋を出て絨毯が張られた薄暗い廊下を歩いた。  悟志は追い掛けてもこなかった。  『まぁ、そんなもんか。』 私は納得しながらエレベーターの到着を待った。  …チーン… エレベーターが開き深いキスをし続ける男女が目に入った。  気まずそうに俯く男女は私の横を通り過ぎた。  私はエレベーターに乗り一階をおした。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!