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そんな悟志を横目で見ながらタバコをふかした。
もう終わりだなぁ……。
潤いをもたらしてくれない男に用はない。
バックに手を伸ばし、立ち上がった。
「じゃ、帰るから」
私は悟志を気にもせず、ドアに手をかけた。
「え?………何?帰んの。」
テレビを見続けたまま、声だけを私にむける。
「うん。バイバイ」
私は部屋を出て絨毯が張られた薄暗い廊下を歩いた。
悟志は追い掛けてもこなかった。
『まぁ、そんなもんか。』
私は納得しながらエレベーターの到着を待った。
…チーン…
エレベーターが開き深いキスをし続ける男女が目に入った。
気まずそうに俯く男女は私の横を通り過ぎた。
私はエレベーターに乗り一階をおした。
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