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「はい、田中です」
冷静な声を絞りだす。
『……もしもし、オレ』
低音しかし甘い声が背筋を凍らせた。
「はい。今日はありがとうございました。」
『な~んだオレだって分かってんだ。』
暢気に笑っている高尾幸。
『今、何してんの?誰かと一緒?』
顔いっぱいに笑みがこぼれる。
気づかれないように、慎重に話した。
「今ですか?自宅ですけど。」
『出れる?』
「これからですか?」
『うん。明日どーせ休みでしょ。飲もうよ』
うん、思っていたように軽い。
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