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「ちょっとだけ待ってて。」 私の耳元で囁き、強引に壁ぎわの椅子に座らされる。  薄暗く静か過ぎるスタジオ内。 私は言葉を発する程、空気が読めない人間じゃない。  仕方なく、ホント仕方なく黙って座っていた。  音楽と共にライトが付き、華麗なダンスと歌が始まる。  音楽番組の収録だと気がついた。  私の手を引いてきた彼は、ライトの下でキレイに笑う。  やっぱり『アイドル』だった。
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