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「この事務所………高尾幸?」 仕方なく航の問いに頷いた。  航だけではなく、メガネくんまでも固まる。  メガネくんには不安の色さえみえた。  「ふ~ん。高尾幸と仕事してんだぁ。美晴さん、高尾幸の彼女?」 航の顔は真剣だった。 「?違いますよ。何言ってんですか?それより時間ないんで、失礼しますね。」 動かぬ航とメガネくん。  「うん。美晴さんまたね。」 無理な笑顔を私に向けながら、航が呟いた。
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