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でも時間は待ってはくれない。
そして私は、毎日山のような書類たちと向き合っていく。
「美晴さ~ん。携帯鳴ってますよ。」
阿部のりが私の携帯を掴み走ってきた。
「ありがとう。」
わざわざ持ってきてくれなくっても良かったのに。とは言えない。
忠犬のように私の横にいる阿部のりの肩を『ポンッ』と叩き、携帯に出た。
阿部のりは嬉しそうにデスクへ戻って行った。
「はい、田中です。」
見た事の無い番号だっただけに仕事モードの声。
煎れたばかりの焙じ茶を片手にデスクへ戻る。
『美晴さん?ボクだけど………分かる?航です。』
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