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このまま航とする訳にはいかない。 せめて体をキチンと清めたかった。 私の中で航の存在は確実に大きくなり、高尾幸によって膨らんだ欲求を航で解消したくなかった。 「先に出てて。体洗ったら出るから。」 固まる航を湯船に置き去りにし、ボディーソープで体を洗う。 髪からも高尾幸の匂いがする気がして、念入りにシャンプーした。 「美晴さん、どーかした?」 航はぬるくなった湯船にまだ入っていた。 「別に。早く出れば?」 航の視線から逃れるようにシャワーで髪から泡を流し落とした。 「ボクから逃げれると思ってるの?」 シャワーの音にかき消されていた気配が、今は後ろにある。 「逆上せちゃうよ。早く出なよ。」 髪にコンディショナーをつけ、出口を促した。
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