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視聴覚室の前方には 大きな白いスクリーンが 設置されていて、その前に パイプ椅子が3列、 ずらりと並べられ、 上映を待っていた。 その後ろに並ぶ 10卓もの喫茶用のテーブルは 全て満席、客層は――全て男性。 そしてそのほとんどは、 おそらく、『七不思議』よりも 『ツンデレ喫茶』という キーワードに惹かれ、 ご来店のお客様だと思われる。 「こりゃ、喫茶の方も 時間制にしなきゃダメかなあ。 ちょっとヒロシと 相談して来るわ」 トモコは暗幕から出て、 部屋の中央に向かって 歩いて行く。 わたしは少し心配になって、 待機所から顔を出し、 トモコの後姿を目で追った。
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