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「センセ、 神聖な文化祭の真っ最中に、 生徒にセクハラすんの 止めてもらえます?」 彩加の宙に浮いた首が、 勝ち誇ったような表情を 春山先生に向ける。 「……奈良崎さ」 「はい、なんでしょ」 「お前、田辺の前では、 デレの割合の方がだいぶ 大きいってほんと?」 「……」 「田辺にだけは、皆の前では 絶対にしない顔、 見せちゃうんだって?」 「……」 彩加の顔から表情が消え、 ――その直後、薄暗がりでも 分かるほど一気に赤みが増した。 ――そうだったんだ、彩加……。
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