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一瞬の間の後、少しだけ
暗闇に目が慣れると、
…先生が、二重になった
暗幕と暗幕の間にわたしを
引っ張り込んだのだと気付いた。
声を出す間もなく、
唇が塞がれる。
強引に身体を引き寄せられ、
いつになく強く唇を吸われると、
思わず声が洩れそうになる。
すぐ傍を、誰かの
足音が通り過ぎた。
…ダメ、ばれちゃう…。
それでも先生は、角度を変えて、
今度は舌を深く挿し込んで来た。
水音を立てないように、
じっくり這うような
動きで舌を絡める。
息を殺して交わすキスは、
いつもよりも妖しく、
わたしの胸の奥を疼かせた。
充分に深いキスをしているのに、
…もっと、深く繋がりたい。
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