-1-

3/17
前へ
/40ページ
次へ
衣装の短いスカートの裾が 持ち上がり、ペチコートの フリルが丸見えになったので、 わたしは慌ててトモコの 後ろ側に回り、裾を押さえた。 「がんばったね、トモコ。 …あれ、マリは?」 「そうそう!!聞いてよっ」 トモコは泣きそうな声で言った。 「カレシが来たとたん、 ちょっと抜けるね、とか言って、 手つないで消えちゃったんだよっ!! わたし一人残して、 酷いと思わないっ?」 文化祭初日の土曜日。 10時の開門と同時に、 校内はたちまち、たくさんの 一般客で溢れ返った。 まだ午前中だというのに、 スタートからなかなかの 賑わいを見せている。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

390人が本棚に入れています
本棚に追加