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「今日の実験楽しかったねー」 「ただの黒い石だと思ってたら、ぶくぶく泡が出てびっくりしちゃった」 大きい目をまん丸くして喋る葵。 生物の授業の実験がさっき終わった。 移動教室だったから、葵と2人で教室に向かっている。 「その泡に火を近づけたらボンッて爆発したもんね」 「そうそう!あんなどこにでもありそうな石が 「マジあのダサ傷女笑える」 酸素出してたんだよ!」 胸がドクッと一際大きく鳴って、一瞬だけ体が強張った。 葵の言葉とともに聞こえたのは、棘のある男子の声。 「そうだね」って空返事は葵に聞こえただろうか。
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