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「300円になりますっ。
はーいっ、毎度
ありがとうございますっ」
向かいの販売ブースからは、
威勢のいい声が響いて来る。
見ると、なぜかまだ
ウエイトレス姿のままの彩加が、
手際良くたこ焼きを
売りさばいていた。
昇降口に続く通路の脇に、
ずらりと張られた
テント群の下では、
先生と手伝いの生徒たちが、
せっせと焼きそばや
磯部もちなどを焼いていた。
売れ行きは上々で、
販売ブースにはかなりの
人だかりが出来ている。
他の先生方の手付きも
なかなか鮮やかなもので、
鉄板での手慣れたヘラさばきに、
わたしは先程から
感心させられていた。
「そろそろかな」
春山先生は、缶の中に
立ててある竹串を一本、
手に取った。
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