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「萌――!! …下、下!!」 大きな声で呼ばれ、 キョロキョロしてから 廊下の窓の下を覗き込むと、 校舎の下で、彩加が 飛び跳ねながらこちらに 手を振っていた。 その隣には、自転車を押す 田辺くんの姿もある。 「萌、打ち上げ会場、 場所聞いたー?」 「あ、うん、聞いた。 遅くなっちゃうと思うけど、 顔出すから」 「うん、分かった! 先に行ってるねー!」 わたしはしばらく、 連れ立って歩いて行く 彩加と田辺くんの 後姿を見送っていた。 日の暮れかかった校庭の 脇の道を、多くの人影が 校門に向かって流れて行く。
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