みちびきちゃんと、複雑な思い

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「…………はぁ」  何時もの高台……私は一人、海を眺めて最後の海休日を過ごしている。気付けばもう、日は高くなっていた。もうそろそろお昼時では有るのだが……。 「分かってはいても、実際聴くと落ち込むなぁ……」  今日はもう、村の食事処を使う気にはなれない……。  それは朝の出来事だ……。私は久しぶりに食事処で朝食を食べようと、村へと向かった。すると途中、物陰でお酒を飲みながら話をする若い船達を見掛けたのだ。 何でこんな所で、なんて疑問から、止せば良いのにこっそり会話を盗み聞きすると……。 「みちびきちゃんってさ、ちょっと調子に乗ってるよね」 「そうそう、灯台係やってるからってさ。別にそこまで可愛くもねー癖に」 「口を開けば規則守れだ、沈没しろだ……何様だっての。俺らが何れだけ苦労してるか」 「「「分かってないよなぁ、あの女」」」  それ以上は聞けなかった……何故なら私は、その場から逃げ出してしまったから。
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