明るい希望、嘘か真か

2/4
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
「……おかわり、ください」  すっかり夜も更けたハッピー島……。店仕舞いをした食事処で、僕はお酒を飲んでいた。明日の朝も早いだろうおたまさんは、嫌な顔せず僕のコップにおかわりを注いだ。  ……あの後、みちびきちゃんを追って家に行ったのだが……言葉すら、返してはくれなかった。どれだけ呼び掛けても、帰ってくるのは静寂のみ。諦めて去ろうとした僕に届いたのは、すすり泣くみちびきちゃんの声……。 「……いっそ、沈没したいよ……」 「なら、俺様が沈没させてやろうか?」  そう言って現れたのは、ふなきちくんだった。少しばかり嫌な顔をするおたまさんに構わず、ふなきちくんは僕の隣に腰掛ける。 「……お前らしくねぇなぁ、随分暗い顔じゃねぇか。え?」 「……今、ふなきちくんの相手をする余裕がない……」 「へっ、そうかよ……おたまさん、俺様にも一杯」  出されたグラスを手早く受け取ったふなきちくんは、クイッと一気に飲み干した。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!