みちびきちゃんと、複雑な思い

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 私はこんな性格だ……口も悪ければ、融通も利かないし……愛想だって、正直良くない。 だから、嫌われてるのは薄々気付いていた。殆どの船達は、何時も私に取り繕った様な笑顔や言葉を向けてきていたのだから。 「……皆、自分の事ばかり……人の気持ちも知らない癖に……私が灯台だからって、上部ばかり良く見せてっ、皆、沈没しちゃえば良いんだ……! ……あれっ?」  気が付けば、私の視界はぼんやりと霞んでいた。そこで漸く、私は泣いているのだと理解する。 「クソッ、止まれっ、止まれっ……!」 幾ら拭えど、溢れる涙。それが尚更、私の心を締め上げる。後ろ向きな考えばかりが、頭を駆け抜けた。 「止まら、ないっ……涙、止まらないよぉ……!」
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